住宅省エネルギー基準メモ

省エネルギー基準(省エネ基準)に関する私的メモです。 私的なメモですが省エネ基準に関する情報を共有できればと思い、ブログとして公開いたします。 情報の共有が目的なので、情報が間違っていたり、解釈が正しくない場合は、コメントなどでご指摘いただけると助かります。

カテゴリ: 平均日射熱取得率(ηA値)

平均日射熱取得率(ηA値)とは、住宅に入る日射熱を表す数値です。
平均日射熱取得率には冷房期(ηAC値)暖房期(ηAH値)があります。
冷房期は日射を遮る(日射遮蔽)ことで省エネになりますし、暖房期は日射を入れる(日射取得)ことで省エネになります。

平均日射熱取得率は冷房期のみ基準値が設けられていて、暖房期に基準値はありません。
暖房期の平均日射熱取得率は一次エネルギー消費量を計算するときに必要になります。

冷房期の平均日射熱取得率は地域ごとに基準値が設けられていますが、1~4地域は基準値がありません。
1~4地域は北海道や東北などの寒冷な地域です。
基準値は暖かい地域ほど厳しくなっています。

計算についてはこちらをご参照ください。
平均日射熱取得率(ηAC値、ηAH値) 

また、詳細な計算方法についてはこちらをご参照ください。
平均日射熱取得率の計算方法

計算方法を簡単に説明しますと、以下の手順になります。
  1. ガラスの日射熱取得率(η値)を確認する
  2. 窓の取得日射量補正係数を計算する
  3. 窓以外の部位は熱貫流率(U値)を計算し日射熱取得率を計算する
  4. 日射熱取得量を計算する
  5. 各部位の日射熱取得量を合計する
  6. 外皮面積を計算する
  7. 各部位の外皮面積を合計する
  8. 日射熱取得量の合計を外皮面積の合計で割る
平均日射熱取得率を計算する場合、窓と窓以外で計算方法が大きく異なります。
窓は取得日射量補正係数を計算するため計算量が非常に多くなります。
また、外皮平均熱貫流率は方位を分ける必要がありませんが、平均日射熱取得率は方位ごとに係数が変わるため方位別に計算する必要があります。

冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)の基準値ですが、2019年11月に地域区分が見直されています。
(2021年3月末まで経過措置として旧地域区分を使用することができます)
また、8地域の基準値は2020年4月に6.7に変更になっています。

2021年4月から省エネ性能の説明義務制度が始まりますが、平均日射熱取得率の計算方法も2021年4月から計算方法が変更になる予定のようです。
現在のところ変更点の詳細については公表されていませんが、説明義務制度が始まったと同時に変更になるようなので注意が必要です。

平均日射熱取得率(ηA値)の計算方法

 前回まで、平均日射熱取得率(ηA値)の計算についてご説明してきました。
 今回は、平均日射熱取得率計算の注意点についてご説明します。

 平均日射熱取得率の計算で時間がかかるのは、面積、熱貫流率、取得日射量補正係数の計算になります。
 面積・熱貫流率の計算に時間がかかるのは、外皮平均熱貫流率と同様です。

 取得日射量補正係数は、簡略計算法と詳細計算法がありますが、詳細計算法は計算にかなり時間がかかります。

 冷房期の平均日射熱取得率だけを計算するのであれば、冷房期のみ計算すればすみますが、通常は一次エネルギー消費量も同時に計算しますので、暖房期の日射熱取得量も計算しなければなりません。つまり、冷房期と暖房期の両方の計算が必要になります。
 冷房期と暖房期の計算の違いは、方位係数と取得日射量補正係数です。これらの数値を変えて、冷房期と暖房期の両方計算します。
 外皮平均熱貫流率は季節による違いはありませんが、平均日射熱取得率(平均日射熱取得量)は季節を分けて計算する必要がありますので、その分計算に時間がかかります。

 この他、細かな点でいろいろ注意することがありますが、これらについてはここまでの記事でもご説明していますので、そちらもご参照ください。

平均日射熱取得率(ηAC値、ηAH値)の計算方法

外皮平均熱貫流率(UA値)の計算方法

省エネルギー基準(省エネ基準)

 ここまで、平均日射熱取得率(ηA値)を計算するために必要な外皮面積日射熱取得率日射熱取得量などをご説明してきました。
 今回は平均日射熱取得率の計算方法をご説明します。
 平均日射熱取得率の計算は以下のようになります。

 [平均日射熱取得率] = [日射熱取得量計] ÷ [外皮面積計] × 100

 日射熱取得量を合計して外皮面積で割り100かけたものが、平均日射熱取得率になります。
 日射熱取得量、外皮面積については以前にご説明しましたので、そちらをご参照ください。

 従来の日射取得係数は日射取得量を床面積で除していましたが、平均日射熱取得率は外皮面積で除しますので注意してください。

平均日射熱取得率(ηAC値、ηAH値)の計算方法

外皮平均熱貫流率(UA値)の計算方法

省エネルギー基準(省エネ基準)

 今回は日射熱取得量の計算方法をご説明します。

 日射熱取得量は、住宅内にどのくらいの日射熱が入るかを表した数値です。 
 単位は、W/Kになります。
 日射熱取得量は、日射熱取得率と方位係数、面積から求めます。

 ここまで各部位の日射熱取得率の計算方法、方位係数についてご説明しました。
 これらを使用して各部位の日射熱取得量を計算します。
 日射熱取得量の計算式を簡易的に表すと以下のようになります。

 [日射熱取得量] = [日射熱取得率] × [面積] × [方位係数]

 日射熱取得量を計算する場合、冷房期の平均日射熱取得率を判断する場合は、冷房期だけの計算になります。
 ただし、一次エネルギー消費量を計算する場合は、冷房期の他に暖房期の日射熱取得量も必要になります。そのため、通常は冷房期と暖房期の両方計算する必要があります。
 冷房期と暖房期での計算の違いは、方位係数と窓の取得日射量補正係数の数値が変わります。

平均日射熱取得率(ηAC値、ηAH値)の計算方法

外皮平均熱貫流率(UA値)の計算方法

省エネルギー基準(省エネ基準)

     今回は取得日射量補正係数について説明します。

     取得日射量補正係数とは、窓の日射熱取得率を計算するときに用いる係数です。
     庇などの日除け効果、ガラスの反射、地面からの反射などを考慮するために使用します。
     地域、方位、ガラス種類、庇の有無、庇の大きさなどによって変わります。

     取得日射量補正係数は、詳細計算法(詳細法)で計算すると、かなりの手間と時間を要します。
     手計算の場合は、簡略計算法(簡略法)で計算した方がいいかもしれません。 
     (ソフトでも簡略法で計算しているものが多くあります)

     簡略法にも二段階あり、計算が不要なものと計算で求めるものがあります。
     計算が不要な方は条件によってはかなり安全側で計算されてしまうため、計算で求める方を使用することをお勧めします。
     なお、この場合は方位によって計算式が変わりますので注意してください。

     詳細法の場合は、先に窓の高さ、庇の大きさ位置などから、l1とl2という係数を計算し、これらの数値と、地域・ガラス種類・方位・季節ごとに用意された表から数値を読み取ります。 

    平均日射熱取得率(ηAC値、ηAH値)の計算方法

    外皮平均熱貫流率(UA値)の計算方法

    省エネルギー基準(省エネ基準)

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