住宅省エネルギー基準メモ

省エネルギー基準(省エネ基準)に関する私的メモです。 私的なメモですが省エネ基準に関する情報を共有できればと思い、ブログとして公開いたします。 情報の共有が目的なので、情報が間違っていたり、解釈が正しくない場合は、コメントなどでご指摘いただけると助かります。

2013年12月

 前回土間床・基礎断熱の熱貫流率を計算するで概略をご説明しました。
 今回は計算式についてご説明します。

 計算式は、地面からの基礎断熱の深さ、またはべた基礎時の地面から底盤上端までの寸法が1m以内の場合と、1mを越える場合で計算式が異なります
 また、土間床・基礎断熱の熱貫流率計算方法には、詳細計算法(詳細法)と簡略計算法(簡略法)があります。
 今回は詳細法についてご説明します。
 詳細法の計算式は以下の通りです。

基礎断熱深さなどが1m以内の場合
1.8 - 1.36(R1(H1 + W1) + R4(H1 - H2))^0.15 - 0.01(6.14 - R1)((R2 + 0.5R3)W)^0.5

基礎断熱深さなどが1m越える場合
R1 + R4 >= 3 の場合:1.8 - 1.47(R1 + R4)^0.08
R1 + R4 <  3 の場合:1.8 - 1.36(R1 + R4)^0.15

R1: 基礎面室外側の断熱材の熱抵抗(㎡K/W)
R2: 底盤面室内側の断熱材の熱抵抗(㎡K/W)
R3: 底盤面室外側の断熱材の熱抵抗(㎡K/W)
R4: 基礎面室内側の断熱材の熱抵抗(㎡K/W)
H1: 地面から基礎天端までの高さ(m)
H2: 布基礎時の基礎断熱の深さ、またはべた基礎時の地面から底盤上端までの寸法(m)
  (地面より上方が正の値、地面より下方が負の値)
W1: べた基礎時の基礎断熱の深さ(m)
W : べた基礎時の底盤面断熱材の幅(m)

 年末で時間の確保が難しくなったため、恐れ入りますが次回の記事は年明けとさせていただきます。
 

外皮平均熱貫流率(UA値)の計算方法

平均日射熱取得率(ηAC値、ηAH値)の計算方法

省エネルギー基準(省エネ基準)

 今回は土間床・基礎断熱の線熱貫流率計算方法をご説明します。
 通常の部位は、基本的な熱貫流率の計算方法は同じ(熱橋の計算を除く)ですが、土間床・基礎断熱の場合は、計算方法が大きく異なりますので注意が必要です。
 また、計算式は他の部位と異なり、かなり複雑になります。

 土間床・基礎断熱は、形状で二つに別れます。
  • 布基礎
  • べた基礎
 断熱部位は四つに別れます。
  • 基礎面室外側
  • 基礎面室内側
  • 底盤面室外側
  • 底盤面室内側
 寸法は以下のものを拾います。
  • 各断熱部位の断熱材の厚さ
  • 地面から基礎天端までの高さ
  • 地面からの基礎断熱の深さ
  • べた基礎時の地面から底盤上端までの寸法
  • べた基礎時の底盤面断熱材の幅
 地面から基礎天端までの高さが400mmを越える場合、その越えた部位は外壁として計算しなければなりません。
 従来の省エネルギー基準(省エネ基準)の計算式では、地下室は計算できませんでしたが、今回の改正により地下室も考慮できるようになりました。

 次回は計算式をご説明します。
 

外皮平均熱貫流率(UA値)の計算方法

平均日射熱取得率(ηAC値、ηAH値)の計算方法

省エネルギー基準(省エネ基準)

 以前に、鉄骨造(S造)の熱橋についてご説明しました。
 今回はこの計算方法についてご説明します。

 計算式は以下の通りです。
(([一般部の熱貫流率] + [熱橋部の補正熱貫流率])× [面積] + Σ([熱橋部の線熱貫流率] × [熱橋部の長さ])) ÷ [面積]

 S造の補正熱貫流率は、断熱補強材などの熱抵抗により変わります。
 また、線熱貫流率は、断熱補強材などの熱抵抗と柱見付寸法で変わります。

 S造の補正熱貫流率、線熱貫流率は書籍やホームページなどの資料で一覧表が用意されていて、その数値を使用します。
 建築研究所のホームページに「外皮の熱損失の計算方法」というPDFの資料があり、この中の「根っこ津造部位の熱貫流率(柱、梁以外)の仕様に応じた補正熱貫流率」「鉄骨造住宅の柱で熱橋部の仕様に応じた線熱貫流率」にそれぞれの一覧表があります。こちらは無料で入手できます。

▼建築研究所 - 住宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築物の認定基準に関する技術情報

 以前に、鉄筋コンクリート造(RC造)の熱橋についてご説明しました。
 今回はこの計算方法についてご説明します。

 計算式は以下の通りです。
([一般部の熱貫流率] × [面積] + Σ([熱橋部の線熱貫流率] × [熱橋部の長さ])) ÷ [面積]

 RC造の線熱貫流率は、断熱補強の有無、熱橋部の形状などにより変わります。

 RC造の線熱貫流率は書籍やホームページなどの資料で一覧表が用意されていて、その数値を使用します。
 建築研究所のホームページに「外皮の熱損失の計算方法」というPDFの資料があり、この中の「鉄筋コンクリート造等住宅の熱橋形状等に応じた線熱貫流率」に線熱貫流率一覧表があります。こちらは無料で入手できます。

▼建築研究所 - 住宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築物の認定基準に関する技術情報

外皮平均熱貫流率(UA値)の計算方法

平均日射熱取得率(ηAC値、ηAH値)の計算方法

省エネルギー基準(省エネ基準)

 今回は木材熱橋を、補正熱貫流率を使用して計算する方法をご説明します。
 
 計算式は以下の通りです。
 1 ÷ [断熱部の熱抵抗値] + [補正熱貫流率]

 たとえば、外壁で軸組構法の場合は、補正熱貫流率は0.09になりますので、以下のように計算します。
 1 ÷ 2.222 + 0.09 = 0.54(W/㎡K)

 この方法は簡易な方法のため、安全側で計算されます。
 そのため、他の計算方法よりも熱貫流率は大きめの数値になります。
 たとえば前回説明した平均熱貫流率で計算する場合、上記と同じ工法で計算しますと、0.52(W㎡K)となりますので、補正熱貫流率で計算した方が、約4%大きくなってしまいます。
 
 補正熱貫流率は書籍やホームページなどの資料で、部位・工法別の一覧表が用意されていて、その数値を使用します。

 建築研究所のホームページに「外皮の熱損失の計算方法」というPDFの資料があり、この中の「木造部位の断熱工法等に応じた補正熱貫流率」に工法別の補正熱貫流率一覧表があります。こちらは無料で入手できます。

▼建築研究所 - 住宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築物の認定基準に関する技術情報

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